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wassho

二年半程前、新星急報社様のオーダー会に参加した時のメモがメールの下書きから出てきたので、記録として残しておきたいと思います。

当時(というより常に)私は推しに非常に餓えており、ハンドメイドのアクセサリーサイトをふらふらと彷徨ってはイメージカラー(妄想)やモチーフ(妄想)に合った物を探し購入する、ということを続けていました。 そんな時にフォロワーさんにお誘いいただいたのが【新星急報社】様のオーダー会です。 (オーダー会についてはこちらを参照のこと) カクテルや香水、ハーバリウムなど色々な形で推しの概念を具現化しようと日々必死こいていますが、何度やっても『自分の中にある推しのイメージ』を伝える・表現するのは難しい事だなと感じます…… 参加させて頂いたオーダー会ではフォロワーさんの体験談も参考に、ちょっとだけ気合いの入ったプレゼン資料を作っていくことができました。

ちょっと気合を入れたプレゼン資料

そして緊張しながらいざオーダー会です。 会場はカフェの二階にある屋根裏部屋のようなところで、小さな机と椅子、作家さんの持ち込んだパーツの詰まった箱がたくさん積まれていました。 隠れ家で作戦会議をしているようでとてもワクワクします。実際に話しているのは残念な腐女子の一方的な推しカプトークなのですが……プレゼン資料を元に落ち着いて話せたので、今後オーダー会に参加される方はやはり資料やメモを作って行くことをおすすめします。

トレイにパーツを置いてアクセサリーを組み立てていく

パーツの種類の豊富さは勿論のこと、それらを補足する逸話や知識の引き出しの数々にとても驚かされました。石と石をつなぐ鎖にも意味を持たせてくれるのが嬉しい!オタクは全てに意味を求めちまうんです…… 以下、オーダー会メモ(と言うより悲鳴)ですが、未編集なので見苦しい上に作品の事を知らないとハァ…って感じです。仕方ない……仕方ないからステラグロウをやろう。 ですので記事はここまでとさせていただきます。 推しへの解釈を細かく汲み取ってくれる・数多の知識からそれにぴったりな素材を選んでくれる・世界に一つだけのアクセサリーが爆誕してしまう! 新星急報社様のオーダー会、皆様是非参加してみてはいかがでしょうか。

 

情緒の乱れてる奇声を読むのが好きな人(?)だけ読んでもろて

イヤーフック

・まずは剣と槍のモチーフ(紙芝居のスチルを見て選んで下さった)

最初はツルッとしたプレート状のパーツだったけど、【過去の記憶】というのを汲み取って、少し凹凸のある、もやのかかったような印象のパーツへ変更

・剣と槍の隣には、思い出という型に内包される記憶という意味を込めて、円のパーツを配置

・そしてそれをイヤーフックへ繋ぐパーツとして三つの石をチョイス。

それぞれ、槍にはガラス剣にはジルコン円にはシェルのビーズパーツを付けていただいた!ここの素材の選び方がすごい。「ガラスの輝きは天然の宝石への憧れから来る」ォン…憧れ……嗚呼…

・円のパーツの中に盾をイメージしたスモーキーカラーのスワロを配置。石と円を繋ぐのは黒曜石のビーズパーツで、これは黒曜石が武器として使われていた事(武力の象徴)や占いや鏡としても使われてきた事(向き合うとかそう言う意味合い)で選んで下さいました!

・そしてこれらをフックに繋いでみると、微妙に重なり合う、重なり合うけど完全には重ならない。すれ違い!!!ウワーーーーーーッ!!!

・着けてみると、耳元で微かにパーツ同士がぶつかり合う音がして、何だか2人が肩並べて歩いてるみたいな気持ちになりました…ただ並べたのでは無く、石やパーツに意味を持たせるとこんなにも特別な物になるのかと……

お時間が少し余ったので、何と二つ目のアクセサリーをオーダーさせていただけることに!贅沢!?

同じエルクとゼノをモチーフに、先程のイヤーフックとセットで……ぜ、贅沢~ーーーーーーー!?!!予算の事もあったので迷ったのですが、抑え目に考えながら作って下さいました…!これがまた凄い。

ブレスレット

・二つ目はシンプルなブレスレットで製作。まず、過去の記憶という事から琥珀のビーズパーツ、それも透明感のあるものでは無く、透けない、少し不鮮明であると言う意味合いの物をチョイス。この琥珀さんが綺麗で可愛い黄色をしている…ねぇ、エルゼノがハニーレモンパイ食べる話書く……

・次はガーネット、別名柘榴石を二つ配置。これはザクロが登場するギリシャ神話(地獄や愚かしさの象徴であるお話)から、死のイメージ(?)を二人に絡めたもの。オ゛オ゛…オ゛……

・テーマとは全然関係ないのですが私の誕生花がザクロなので、ちょっと嬉しくなりました。

・黒のカニカンと少しゴツめなアジャスターは武力のイメージ。戦い続きの二人にぴったりです…なんかもう段々語彙が消滅してくる。先程の黒曜石も付けて下さいました…。

・そして最後、アジャスターの先に添えられたスワロ…このスワロの名前「パラダイス・シャイン」だそうです……ら、楽園。遠い思い出の中に存在したかもしれない楽園……辛い…しんどい…こんなに"意味"を持ったアクセサリーを身に付けて私は何を描けば良いのか……胸がいっぱいだなあ!!!!!!!!

 

叫んでんな~笑 原稿中に眺めて元気をもらっています。推しの概念は健康に良いんだ。

wassho

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糸が切れたように倒れ込むのを、見ていることしか出来なかった。それがとても心苦しくて、エルクはすぐさま、部屋の真ん中のソファに駆け寄った。

静かな吐息もあまりに密やかで不安になる。肩が僅かに上下している事に安堵すると、改めて部屋の主を見つめた。

天窓から落ちる月明かりに照らし出された顔、その所々に、血が固まって間もない小さな傷が付いている。鎧を脱いでも鉄の気配が消えないのは、彼が前線まで出ざるを得なかった状況を表していた。あんな化け物でも、血の匂いは人と変わらない。


王宮の端にある寝所は静かだ。王の居室としては些か地味とも思える空間。部屋自体の広さは客間とそう大差なく、天井だけは他よりも高く作られている。

「ゼノ」

エルクは試しに呼び掛けてみる。聞こえたのかそうでないのか、口の中で何か呟くと僅かに身動いだ。薄らと瞼を持ち上げた彼は、此方を見遣ると微かに表情を歪めた。

「また何人も、死なせてしまった」

掠れた声がエルクの胸に刺さる。目を覆う腕にも手当ての跡はあって、上手く言葉が出てこない。


(お前は十分、こんなにも傷付いているじゃないか)


上衣を脱いで微睡む友に掛けてやる。やがて、静かな寝息が風車の駆動音に混じり、夜の淵へ消えていくのだった。



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現パロ甥叔父アルクラ フォロワーさんとの推しカプすごろく中に盛り上がって頂戴したネタ。

現代に転生して先に記憶が戻ったクラウス叔父さんと遅れて記憶を取り戻した甥っ子アルトの話。

 

「いつからですか——」

隊長、と続けそうになって止め、叔父さん、と言うのも淀んでしまう様子をクラウスは楽しく見ていた。まだ上手く状況が飲み込めていないのだろう。5分程前まで可愛い甥のつもりでいた彼は可哀想に、目の前に置かれた好物の特製グラタンスープにさえ、手を付けられないでいる。

漸く整い始めた2人の生活空間が、一気に贋物に成り果ててしまった。可哀想にと、クラウスは心の中で何度も憐れんだ。憐れむと同時に面白おかしくもあった。

頭の中にある遠い記憶。それによれば彼等は上司と部下、そして敵同士だ。塔の頂での出来事を、非日常を今でも思い出せる。街の焼けるその匂いまで。

いつから?初めからに決まっている。君が親に連れられ、甥として私の隣に座り、勉強を教えてほしいと頼んできたあの日から——

そう突き付けてやっても良かった。良かったのだが、

(お前は、エルクレストではないのか)

僅かに対峙する間、彼がただの【アルト】でしか無い事が、何故か分かってしまった。彼の中に心から憎んだかつての親友は、一ミリも存在しない。

舌打ちしかけて啜った珈琲のぬるさと苦味が、急速に感情を削いでいく。

赤子の様に駄々を捏ねても、記憶は過去の物で仕方のない事なのだ。

だからクラウスは、やり方を変えることにした。

「混乱するのも無理はないね」

あくまで叔父である事は捨てずに、優しい声で、

「安心すると良い、此処にはもう戦う理由……天使も、神もいないんだ」

いつかと同じ調子で、そうすればこの子供は絆される。

「私も君も、叔父と甥である事に変わりはない」

インターホンが鳴る。注文していたカウチが届いたのだろう。

「早く食べてしまいなさい、アルト」

午後は模様替えを手伝って貰うよと告げて、席を立つ。

住人が一人増えただけでも、何かと物入りだ。



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